わたしわたしわたし(笑)

自分のこと、なかなか人には話さないからここに 。

月夜の浜辺

幼い頃にはなにもおもいいたらず不思議ないいまわしだけ印象にのこっていたけれど。

彼がわたしというぼたんをひろってくれたのかな。

 

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを、捨てるに忍びず
僕はそれを、たもとに入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
   月に向かつてそれはほうれず
   波に向かつてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?